【身体の雑学】指をポキポキ鳴らす音の正体は?関節の科学と健康への影響
皆様、こんにちは!言葉や自然の「へー!」を探求する、辞書ブログです。毎日一語、日常の何気ないテーマから発見がある。そんな豆知識を分かち合いたいと思います。
今日取り上げるのは、思わずやってしまう人も多い「指のポキポキ鳴らし」です。指を引っ張ったり曲げたりしたときに聞こえる、あの独特の「ポキッ」という音。周りの人から「骨に悪いからやめなさい」と言われた経験がある人も多いのではないでしょうか?
この音の正体は、骨がぶつかる音なのでしょうか?それとも、本当に何かが破壊されている音なのでしょうか?その秘密は、関節の中にある液体に隠されています。
指を鳴らす音の科学的な正体と、その行為が健康に与える影響について、深掘りしましょう。
音の正体は「気泡の弾ける音」
資料によると、指を鳴らす「ポキッ」という音の正体は、骨そのものが擦れたり、ぶつかったりする音ではありません。音は、関節の中にある「関節液(かんせつえき)」の中で起こる現象によって発生しています。
指の関節は、骨と骨がスムーズに動くように、潤滑油のような役割を果たす関節液で満たされています。この関節液には、酸素や二酸化炭素などのガスが溶け込んでいます。
指を引っ張ったり、大きく曲げたりして関節に瞬間的な「スキマ」ができると、関節の容積が急激に大きくなります。すると、関節液の圧力が低下し、溶け込んでいたガスが急いで飛び出してきて、「気泡」(キャビティ)ができます。
この気泡ができる瞬間に「ポキッ」という音が発生しているというのが、長年の定説でした。しかし、さらに新しい研究では、音の正体について以下のような見解が提唱されています。
最新の説:気泡が「弾ける(破裂する)」音
近年、MRI(磁気共鳴画像装置)を使った研究により、音が発生する瞬間をより詳細に観察できるようになりました。
- 気泡が「できる瞬間」に音が鳴るという説が有力でしたが、2015年の研究では、指を鳴らした際に生じた気泡が、関節液の力で潰れる(弾ける、破裂する)ときに音が鳴っている可能性が高いことが示されました。
- これは、関節が元の位置に戻ろうとするとき、関節液によって気泡が一瞬で潰されることによって発生する、非常に大きな衝撃音なのです。
この気泡が破裂すると、一時的にガスが再溶解するまで時間がかかるため、一度指を鳴らすと、すぐに続けて鳴らせないのはこのためです。
指を鳴らすと本当に体に悪いの?
最も気になるのが、この行為が体に悪いかどうかです。長年にわたり、「指を鳴らすと関節炎(かんせつえん)になる」と言われてきましたが、資料によると、医学的な研究では、「指を鳴らす行為と、関節炎の発症には明確な関連性がない」という見解が主流です。
ある医師は、60年間にわたり片手だけを鳴らし続けた実験を行い、最終的に両手に差がないことを発表し、イグノーベル賞を受賞しています。
ただし、関節周りの腱や靭帯を過度に伸ばしすぎると、一時的に痛めたり、関節が緩んだりする可能性は指摘されています。必要以上に無理な力を加えて鳴らすのは避けた方が良いでしょう。
まとめ
指をポキポキ鳴らす音の秘密。
- 音の正体は、関節の骨がぶつかる音ではなく、関節液の中で発生した「気泡が弾ける(破裂する)音」である可能性が高い。
- 音を鳴らした直後に鳴らせないのは、気泡が破裂した後、ガスが再び溶け込むまでに時間がかかるため。
- 医学的には、指を鳴らす行為と関節炎の発症には明確な関連性は見られないというのが現在の主流な見解である。
今度誰かに「やめなさい」と言われたら、優しく「これは骨が鳴っているわけではないんだよ」と教えてあげてください。本当に「へー!」な発見でした。
それではまた明日、次の「へー」な豆知識でお会いしましょう!
